
秋晴れのもと「THE籠城キャンプinグリスポキャッスル!」を開催しました! この企画は、2020年に災害時の避難場所に指定されたグリスポのウェルネス広場で、キャンプを楽しみながら災害時にも役立つ術を身につけようという主旨で企画されました。同時に、非常時のグリスポの使い方を考えるきっかけにしたいという意図もあります。そのため、豊中市の一般参加者のほか、サバイバル術に熟知したボーイスカウト豊中第22団の皆さん、地域の防災(共助)の中心的な役割を担う庄内西自主防災会の皆さん、グリスポの将来の姿を考えてきた、武庫川女子大学生活環境学科の研究室や学生など、多くの方の協力を得て、開催しました。
2022.11.12 Day1 13:30 一般参加者5組22名、ボーイスカウト55名、武庫川女子大学9名のほか、自主防災会や企画スタッフが集まり、豊中市長の「存分に楽しんでください!」の発声により、籠城キャンプがスタートしました。

各自のテントや炊事エリアの設営のあと、ブルーシートを使ったシェルターづくりをボーイスカウトの皆さんに教えてもらいました。高価なテントを買わなくても、シートとロープとほどよい木があれば、雨露をしのぐことが出来る最低限の簡易テントができることを学びました。


手の空いた人から、アルミの空き缶を使ったキャンドルランタンづくり。アルミ缶に絵を書いた紙を巻き付け、画びょうで穴をあけていきます。参加者からは「子どもが頑張って最後まで自分で作り切ろうとしている姿が見れてよかった」との声も。ぼこぼこになった空き缶の見栄えは悪くても、夜、中にキャンドルを入れると絵が浮かび上がりますよ~。 広場中央に設置した城(グリスポキャッスル)の尖塔から六方向に張られたチェーンに吊るしていきます。


16:30 火起こし体験から調理開始です。町会からお借りしたドラム缶コンロ+大鍋3台、庄内西自主防災会提供の薪、豊中市の生産緑地で育てられた里芋50袋、(株)サンオーブン提供の米10kgなど、様々な方から提供あるいはお借りした器材と食材で、夕食を作ります。








ポリ袋に卵とチーズと塩コショウを入れて湯煎すれば、チーズオムレツの出来上がり!ポリ袋にパスタと水を入れて湯煎し、オリーブオイルとふりかけを入れれば、パスタの出来上がり! 食器がなくても、食器を洗う水が貴重な場面でも使える防災術(防災食)ですね。 前日に収穫した里芋を使った芋煮や大鍋パエリアも大好評でした! 非常時には、一人一人が食材を準備する(備える)ことも大事ですが、地域のどこにどんな器材と食材があるのかを知り、いざというときに使えることが大事だということを学びました。
ちなみに、今回の食材費は約25,000円(夕食100人分と朝食50人分)でした。食材などの寄付をいただいた皆様に、改めて感謝申し上げます。 また、食器にサランラップを巻いて使えば、食器を洗う手間が省け、使う水も減らせることも学びました。グリスポは屋外の炊事場は1か所しかないため、大人数の避難生活では、大事な防災術ですね。
19:30 お腹も落ち着いたところで、広場を消灯してのランタンナイト。


10月に完成した城(グリスポキャッスル)の尖塔を中心に、みんなでつくった一つ一つのキャンドルランタンが流れるように広がり、輪となることをイメージして、武庫川女子大学の研究室がデザインしました。 グリスポキャッスルの開城を祝うと同時に、このグリスポから生まれた一人一人の活動や関わりがつながり、地域に大きく波紋のように広がっていくことを願っています。


ランタンツリーを参加者全員で囲み、ボーイスカウトによる出し物で参加者全員がひとつになりました。 一般参加者からは、「夜にみんなで歌うイベントも久しぶりで楽しい時間でした。」との声も。
1日目最後のプログラムは、ダンボールを使った足湯。足も濡れず、お湯を使いまわせるので衛生的。しかも段ボールは空気層があるのでお湯も冷めにくい。武庫川女子大学で何度も実験をして、今回の仕様にたどりつきました。皆さんの、足を入れたときの「あ~~」というため息が印象的です。



子どもさんからは「これ考えた人、天才やな。」というお褒め?の言葉もいただきました。大人より子どもの方が足湯場から動きたくなくなるというのは予想外でした。また、参加者から「日常の消耗品を活用した足湯は、他のアイデアにも発展させる可能性もある」との意見もいただきましたが、その通りだと思います。段ボールを二重にしたり、緩衝材のプチプチを使ったり。キャンプでは、食材を入れてきた発泡スチロール箱やクーラーボックスの保温力は絶大だと思います。 ぜひ、今流行の冬キャンプでお試しを!防災面から言えば、避難生活での足湯は心身ともに効果があります。東日本大震災後の足湯ボランティアも盛んにされていましたし、穏やかな気持ちになることで避難所のトラブルも減るかもしれませんね。 足も温まったところで、一般参加者22名、ボーイスカウト18名、武庫川女子大学5名、自主防災会1名、スタッフ3名の計49名が、グリスポで一夜を明かしました。
2022.11.13 Day2 平年より5度ほど暖かく、風もほとんどない、穏やかな朝を迎えました。グリスポには、毎朝6時から地域の皆さんがラジオ体操のために集まります。この日は、薄暗い中「ようさん、テント張ってはるわ。」といった会話や電車が走る音で目覚めました。

8:00 パンにキャベツとソーセージを挟み、アルミホイルで包み、牛乳パックへ。牛乳パックに火をつけて30秒。焼きたてホットドッグの出来上がり! コンソメスープとともに、朝の腹ごしらえ完了です。



朝食後、各々荷物を撤収して、小雨が降り出した9:30に閉所式をして、解散しました。
今回の企画を踏まえ、グリスポの防災ブックレットを作成する予定です。又、グリスポが防災面も含めた地域の拠点になるために、今後も進化を続けたいと思います。ぜひ、ご協力の程よろしくお願いします! ※今回の籠城キャンプについては、ボーイスカウト豊中第22団のブログにも記事を掲載いただきました。 http://toyonaka22.daa.jp/2022/11/13/post-7566/
【御礼】 ボーイスカウト豊中第22団、庄内西自主防災会、消防団庄内西分団洲到止班、武庫川女子大学伊丹研究室のほか、企画の実施にあたり多大なご協力をいただいた皆様、ありがとうございました。 また、以下の皆様から食材、消耗品のご寄付をいただきました。心から御礼申し上げます。 ・日本ハム株式会社から、シャウエッセン100本 ・株式会社サンオーブンから、米10kg ・ボーイスカウト豊中第22団から、各種消耗品 ・庄内西自主防災会から、サランラップ、アルミホイル ・豊中市から、里芋、ガスカートリッジ、飲料水、アルファ米200食